東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所(以下「1F(イチエフ)」と省略)の事故から4年以上が過ぎました。
現在、この原発事故についての人々の関心はきわめて低くなっており、1Fが現在どのような状況にあるのかについての関心も薄くなっていると言わざるをえません。毎日の新聞やテレビで伝えられる1Fに関するニュースは非常に少なく、断片的なものになっています。
事故直後の2011年4月に結成された「福島原発行動隊(SVCF)」では、技術者などで構成された「原発ウォッチャー」というグループがあり、毎月東京電力等から発表される膨大な1Fの状況に関する資料を要約した「月例レポート」を公表していました。しかし、その活動は残念ながら2015年3月で休止することになりました。
しかし、私たちは1Fから本当に放射性物質が漏れていないのかどうか、あるいはこの事故が今後どのように収束していくのかは、1F周辺の人たちばかりでなく、日本国民全体に影響を及ぼす問題であり続けていると考えています。そこで、SVCFの原発ウォッチャーに参加していたメンバーの一部がその活動内容を継承することとして、2015年4月にSVCFからは切り離した形で、「福島第一原発Watcher(1F-Watcher)」として、このサイトをオープンしました。
東京電力のウェブサイトには、1Fの状況に関して膨大な量の情報とデータが掲載されています。しかし、その量がきわめて膨大であること、またその正確な理解には専門的な知識が必要であることなどから、これらの情報・データが一般の人たちに十分に理解され、浸透しているとは言えないと考えています。そこで、私たちは東京電力が公表しているこれらの情報・データを中心に、また経済産業省や原子力規制庁などの政府機関・公的機関が公表している情報・データ、さらにはマスメディアが提供している情報なども参考にしながら、1Fが現在どのような状況にあるのかを私たちなりに把握し、それを可能な限り分かりやすい情報として公開したいと考えています。
しかし、現状でこの活動にたずさわっているメンバーは原子力の専門家ではありません。いや原子力どころか理科系・技術系の人間ですらありません。したがって、原発や原発事故に関する私たちの知識や理解力が決して高い水準のものではなく、むしろ不正確な理解をしているかもしれないことは十分に認識しています。さらに、私たちが把握している情報自体、1Fの現況に関する、ほんの一部にしか過ぎないことも承知しています。それにもかかわらず、ある意味で身の程知らずのこうした試みに取り組んでみようと考えたのは、むしろ専門家ではない私たち自身がこの問題について「関心を持ち続け、情報を得て理解しよう」と努力することこそが、原子力の「専門家」の人たちや東電、政府の動きをチェックすることにつながると考えたからです。「関心を持ち続ける」こと、それが長い目で見たときに1Fの収束を、より「国民の立場に沿った」ものにしていくと考えています。
このウェブサイトが、これからの日本を考えていく上で少しでも意味ある貢献ができることを私たちは願っていますし、もしこれをご覧になっている方々の中で、「自分もウォッチャーの一人として関心を持ち続けよう」という方がおられましたら、以下のフォームからご連絡をいただき、ぜひ仲間に加わっていただくよう、お願いいたします。