2011年3月の過酷事故から10年と7か月目。現行ロードマップにおける最長廃止措置完了予定時期まで30年を切った福島第一原子力発電所です。
約880トンと推定される1~3号機の核燃料デブリの取り出しに係る当面の目標は、2号機では、2022年度に予定されている数グラム程度のデブリの試験的取り出しです。その後数年間にわたるデブリの性状分析等を経て、2026年度以降に段階的に取り出し規模を拡大するとされています。
1・3号機では具体的な目標は決まっていません。1号機では高線量の原子炉建屋内部の線源特定のための内部調査、3号機では原子炉格納容器の底面から約5.5 mある水位の低下が課題となっています。
また、1~3号機に共通して、2021年に原子力規制委員会委員長に「格納容器の底にあるデブリが、高いところにもあるようなもの」と評されたほどの大量のセシウム137が封じ込めれていることが明らかになった、建屋5階のオペレーティングフロアにある3層のシールドプラグ(PCVの上蓋、ウェルプラグとも言う)への対応という課題もあります。
今月は、12月に開始予定の1号機原子炉格納容器内部調査について改めてレポートしました。
また、継続中の2号機シールドプラグの穿孔部調査、核燃料デブリの試験的取り出しの準備状況について続報しました。
また直近のスケジュールによると、核燃料デブリの取り出し準備として、下記の作業も行われているようです。
1号機では、2階線量低減に向けた準備作業。
3号機では、北西エリア機器撤去および除染機器撤去。
および、PCV水位低下のための取水設備の設置。