特定原子力施設監視・評価検討会 第48回会合 傍聴メモ

特定原子力施設監視・評価検討会の第48回会合が11月18日に開催されました。

会議での配布資料は原子力規制委員会のサイトに掲載されていますので、そちらを参照してください。また、会議の映像もすでに配布資料とともにアップロードされており、当日の検討会の模様をご覧いただけます。

http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi/

以下は、福島原発行動隊(SVCF)の原発ウォッチャーを務めたT.M.氏による会議メモです。なお、メモの内容は会議での議論・資料をそのまま追ったものではなく、T.M.氏が重要と判断した議論を編集したものです。

議題1.3号機使用済み燃料プールからの燃料取出作業(資料1)

徳森(東京電力)がオペフロの線量低減の進捗状況と燃料取出設備設備設置の作業ステップについて説明を行った。これに基づいて以下の質疑が行われた。

更田原子力規制委員会委員:作業ステップ(p. 18)では有人作業もあると思うが、工事期間と遮蔽効果と被曝線量について規制委としては関心がある。

徳森(東京電力):オペフロに線量に応じた厚みの遮蔽鋼板を敷き、線量測定が終った段階にある。ガーダーの設置(つり込みとボルト締め)まで、有人作業を含め半年として計画している。

山本(外部専門家):線源と方向性はどのようになっているのか。ドームの機密保持対策(デブリ取出も考慮して)はどうか。

徳森(東京電力):線源はオペフロ下方の炉体方向が主である。排気口でダスト吸引を実施する。

更田(規制委委員):ダスト飛散は周辺への影響が大きい、ドーム内負圧化は?

徳森、松本(東京電力):ドーム内の気流を制御し、ダスト処理装置内負圧化は検討する。

安井(規制庁):オペフロの線量分布の目標値はどうなっているのか?

徳森(東京電力):1mSv/hを目標にしている。P. 14の線量分布は実数値である(collimateしていない)。有人作業には渦巻き遮蔽室を設置してある(pp. 36-37)。被曝作業はボルト締めなどである。

高坂(外部専門家):遮蔽室の作業への障害は? 作業訓練と状況対応が必要である。

徳森(東京電力):遮蔽室は適宜移設する。訓練計画立案、状況への対応も考慮する。

更田(規制委委員):ダスト飛散には特段の配慮と観察をして欲しい。

議題2.地震・津波対策の実施状況(資料2)

山内(東京電力)が説明を行った。排気塔(高さ120m)の上半分を切断撤去する。除染スラッジ格納室の津波対策として蓋の設置を検討する。燃料デブリへの注水装置を検討する。格納容器の耐震性について計算と評価を行った。

高坂(外部専門家):格納容器の耐震性の実態はかなり怪しいという話もあるが。

松本(東京電力):健全な容器としての600galへの計算上の評価だ。

高坂(外部専門家)、 安井(規制庁):事故後5年を経て、容器の腐食データを収集してチェックすることが必要である。

橘高(外部専門家):900galに対して計算はしていないのか。

更田(規制委委員):被災物の現状では900gal対応計算には無理がある。

高坂(外部専門家):スラッジ蓋の2案はどちらを選択するのか。

山内(東京電力):選択できる段階に達していない。

蜂須賀(大熊町商工会会長):東京電力の対応の全てに、博多の陥没事故で言われた「現場力」が感じられない。外部の力の活用も考えたらどうか。デブリ事故時注水(p. 12)の訓練の頻度は?

松本、山内(東京電力):外部の知恵については東電のホームページで募集している。個別訓練は200回/年、総合訓練は1~3回/年程度実施している。

議題3.サブドレン強化対策(資料3)

小林(東京電力)が説明し、これに基づいて質疑が行われた。

高坂(外部専門家):状況は理解した。来年の台風シーズンまでに完成を望む。

徳永(外部専門家):鉄分除去のフローで中継タンクからの出し入れで効果はあるのか?

小林(東京電力):中継タンク(p. 7)は内部で3槽に分れ、1槽で抜き3槽に戻している。

議題4.その他

更田委員の発案で、議題に挙げられていない問題であっても、外部専門家の自由意見を聴取することにした。以下のような意見が出された。

蜂須賀(大熊町商工会会長):1号機のカバーを外した姿に不安を覚える。タンクの増加に土地があるのかと思う。双葉地区に作らない理由は何か。

松本(東京電力):構造上の安全は検査している。カバーの撤去については本質的リスク除去の過程として認めて欲しい。タンク建設用の土地は検討中している。双葉地区に設置することは距離上のリスクがある。

山本(外部専門家):この会合で徐々に議論はかみ合ってきているが、「リスクマップ」を使った進捗と評価により事業者と規制委の相互確認が必要ではないか。

更田(規制委委員):「これまでの議論」として会議の最初に説明し、合意を得ること考える。

橘高(外部専門家):5年を経て建屋の安全性(劣化)の検討が必要である。線量低減の傾向はどうなっているのか?

村野(東京電力):2,3号機は低減が認められるが、1号機南部・東部のCs137は事故時と変わりなく、高線量である。

高坂(外部専門家):地元では、水処理と漏洩、ダストの誤警報が話題になる。H4、H5タンクエリアの漏洩が地盤に与えている影響の調査が必要である。

更田(規制委委員):処理済水漏洩とダスト誤警報は本質リスクとしては小さい。規制委が周辺自治体に聴取したところ「タンク林立そのものが脅威」との意見多数だった。工学的評価とは異なるが。処理済水の最終処理についてはこの会のテーマから外れるが、エネ庁主催の会議が11月13日に開かれたと聞く。実施主体として東電が筋を通していくことが求められる

傍聴者による所見:規制委がリスク低減の最重要事項としている「サブドレン増強」について、議題になっていて設置計画と工程は示されているものの、個々の技術仕様や各号機への効果には言及がない。台風シーズンを過ぎた故か、地下水の実態や凍土壁の検証についても触れられていないことに疑念がある。

以上

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