特定原子力施設監視・評価検討会 第47回会合(2016年10月19日)傍聴メモ

特定原子力施設監視・評価検討会の第47回会合が10月19日に開催されました。

会議での配布資料は原子力規制委員会のサイトに掲載されていますので、そちらを参照してください。また、会議の映像もすでに配布資料とともにアップロードされており、当日の検討会の模様をご覧いただけます。

http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi/

以下は、福島原発行動隊(SVCF)の原発ウォッチャーを務めたT.M.氏による会議メモです。なお、メモの内容は会議での議論・資料をそのまま追ったものではなく、T.M.氏が重要と判断した議論を編集したものです。

議題1.復水器内貯留水の処理方針(資料1)

東京電力の園田が以下の説明を行った。

事故当時の高濃度汚染水(Cs137が1.0E9Bq/L)が1~3号機復水器に計2,000㎥程度滞留している。構造上一挙に水抜き出来ないため、部分的に水抜き・希釈を繰り返し処理することとする。抽出水の処理法を4案検討したが、建屋滞留水と混合して処理したい。2017年度内処理完了を目指すが、1号機を年内に優先処理(KURIONを使用)する。

この説明について以下のような質疑が行われた。

更田(規制委委員):東電の現状把握と処理方針は理解できた。2ページのグラフ(縦軸に総放射性物質量、横軸に時間をとっている)について、建屋滞留水への混合を処理した場合、汚染量分担がどう変わるのかを次回に示して欲しい(総面積の減少がリスク低減と評価できる)。

橘高(外部専門家):Csは水溶性だが、固形沈殿汚染物はどの程度存在するか。

園田(東京電力):復水器では未確認だが、建屋では5mm程度のスラッジが床に存在している。

橘高(外部専門家):攪拌して抜き取ることは考えていないのか。

更田(規制委委員):水位と水量減少が優先課題である。沈降物は水抜き後の処理でよい。

安井(規制庁):タービン建屋内作業は被曝対策上、希釈・抜き出しが優先事項となる。

高坂(外部専門家):Cs濃度が高い理由は何か。震災当時は津波海水が入っていたのではないか。

山田(規制庁):事故当時、建屋内と同程度の汚染が起こっていた。

更田(規制委委員):浄化方法4案と建屋滞留水への混合の選択はやむ得ないと考える。工程の内容と期間が明示して欲しい。凍土壁の効果は入れているか?

松本(東京電力):凍土壁効果は織り込んでいない。工程・期間は次回に詳細を説明したい。

 

議題2.原子炉注水量の低減について(資料2)

山内(東京電力)が以下の説明を行った。

現在、1~3号機に4.5㎥/hの冷却注水している。これを、3.0㎥/hまで0.5㎥/hづつ注水低減を図ることとしたい。これにより108㎥/Dの注水量削減効果がある。

この説明をめぐって以下の質疑が行われた。

更田(規制委委員):計画として問題はない、ゴーサインを出す。監視情報の公開はどうなっているのか? これは社会の注目事象なので公開するよう検討して欲しい。

松本・山内(東京電力):リアルタイムで計測している。情報公開の方法を考える。

高坂(外部専門家):炉内水位変動も監視して欲しい。設定逸脱時には初期条件に戻すのが正しいのではないか。

山内(東京電力):炉内65℃以下で監視し、7~8℃の上昇なら0.5㎥/hの注水で制御が可能である。

更田(規制委委員):水量だけでなく水質と線量の確認もして欲しい。

 

議題3 陸側遮水壁(山側)の一部閉合(資料3)

百瀬(東京電力)が以下のような説明を行った。

現在7ヶ所開けている山側遮水壁のうち西1と西5の2箇所を閉合したい。9月の降水量増大でサブドレンが過負荷になっている。閉合することにより流入量を抑制したい。建屋周辺地下水位の急激な低下にはならない。

この説明をめぐって以下の質疑があった。

更田(規制委員会委員):海側凍土壁通過量が70㎥/D以下であることが山側完全閉合の条件だが、今回の提案は規制庁も同意している。

高坂(外部専門家):今回の閉合に補助工法は使うのか?

百瀬(東京電力):凍結と補助工法を併用する。

更田(規制委委員):凍土壁はエネ庁と東電の「重層的対策」であると理解している。規制委としてはサブドレンによる水位バランスを重視している。

松本(東京電力):東京電力としては凍土壁に遮水効果があると確信している。

 

議題4 サブドレン他強化対策について(資料5)

小林(東京電力)が、サブドレン15箇所およびタンク3基(3,000㎥)増設計画について説明を行った。これについて、更田委員(規制委)から、工程が長すぎるとの指摘があり、規制庁の認可も含めて最短で検討して欲しいとの要請があった。

 

議題5 増設処理装置の設置工程検討(資料4)

山口氏(東京電力)が以下の説明を行った。

SARRYの増設について3案(1.現在のまま、2.品質確認追加、3.廃棄物減少対策追加)を検討した結果、「2.品質確認追加を工期15ヶ月で実施したい。

この説明をめぐって以下の質疑と意見交換があった。

更田(規制委委員):提案内容は了とするが、工期を12ヶ月以内で検討すべきである。

高坂(外部専門家):現在のSARRYで改良点は把握できているはずである。最短7ヶ月を工期とすべきである。

蜂須賀(外部専門家):信用と信頼がもっとも重要である。廃棄物減少対策込みで15ヶ月以内にやってほしい。

 

(所見)凍土壁を除いて、規制委側から東電提案に真っ向反対の指摘はなかった。ただし、いずれも追加の設備・管理手法の導入の提案であり、結果の報告ではない。半年から1年は様子見の期間かも知れない。

 なお、10月21日に「廃棄物対策検討会(田中知委員主宰)」が行われたが、告知を見逃し参加できなかった。後日の議事録発表時に内容を検討し要点の整理をしたい。

 

以上

 

 

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