特定原子力施設監視・評価検討会 第46回会合の傍聴メモ(M.T. 記)

特定原子よく施設監視・評価検討会第46回会合については、すでに技術者のT. M.氏による傍聴メモが掲載されていますが、同氏とともに傍聴したM. T. の方からも素人の目から見たきわめておおざっぱな見取り図をまとめてみました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ここ数回の検討会会合を傍聴する中で見て取れるのは地下水に対する考え方の違いである。

東電は地下水対策を次の3つに整理している。

1.汚染源を取り除く
2.汚染水に水を近づけない
3.汚染水を漏らさない

この数十ヵ月東電がもっとも力を入れてきたのが凍土遮水壁によって2と3を実現することだった。

これに対して規制委員会はとりわけ6月以降、1の「汚染水を取り除く」方策を強調するようになった。

現在、福島第一原発で最大のリスクとなっているのは、すでに冷却がかなり進んだ燃料デブリではなく、原子炉建屋とタービン建屋に滞留している高濃度の汚染水である。新たな地震・津波でこれが外に流出しないようにすることがもっとも優先度の高い方策である。この滞留水を除去するためには何度も希釈をくりかえし、建屋から抜き出してタンクに溜めることが望ましい。規制委員会はこのように考え、東京電力にその作業日程を明らかにするように求めていた。

これを受け、この日の会議の議題は「建屋滞留水処理に向けた取り組み」となった。今回の会合で明確化された重要なポイントは以下の通りである。

1.これまで建屋滞留水を問題にするときには滞留水の水量がもっぱら問題とされてきたが、重要なのは滞留水に含有されている放射性物質量である。

2.そうした観点に立った場合、復水器内の貯留水が問題にされなければならない。建屋内滞留水に含まれる放射性物資の80%は建屋復水器残留水(2,000トン)に含まれ、残りの20%が建屋内滞留水(60,000トン)に含まれている。

3.それゆえ、この復水器内の貯留水をどのように処理するのかについて方針を出す必要がある。

この日の会合で、東京電力は建屋内の滞留水除去作業を2010年までに完了するとした上で、復水器内貯留水の処理を来年度速めるとの計画案を提示した

なお、流入する地下水について、規制委員会はサブドレンと呼ばれる井戸から汲み上げる方策を第一と考えており、凍土遮水壁については、何か効果があれば「もうけもの」ぐらいで見ていると言える。(M. T. 記)

(注)規制委員会の以下のサイトで会議の資料や議事録などを見ることができます。

カテゴリー: 02 滞留水・汚染水の状況, 21 トピック パーマリンク