燃料デブリの取り出しはまだまったくの準備段階にある。取り組みの第一は原子炉建屋内の除染である。第二に、燃料デブリの位置を特定する作業が始まっている。3月には、ミュオンによる調査により、すでに推定されていたことだが、1号機、2号機の圧力容器の中には燃料デブリがないことが初めて実証された。
4月19日から20日にかけては初めての格納容器内の状況把握のためのロボットの投入が1号機において実施された。
一方、事故発生以来4年間、中長期ロードマップのもとで、想定された燃料デブリの取り出し工法としては「冠水工法」が優先的な選択肢であったが、この間の調査において、格納容器シェル部分の損傷等「冠水工法」が不可能となる懸念も明らかになり、さる4月30日、原子力損害賠償・廃炉等支援機構から出された「東京電力㈱福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2015~2015年中長期ロードマップの改訂に向けて(以下、「改訂に向けて」)と略す」においては「気中工法」も有力なオプションとして示される状況になってきた。
レポート本文:201505-05-deburi.pdf